命が果ててしまっては、なんの意味も無い。命がけで仕事はしない。
命が果ててしまっては、なんの意味も無い。命がけで仕事はしない。
これまで沢山の本を読んできた。ここまで日本人だという事を意識させてくれる本はない。100年生きる事が当たり前になってきた時代、彼女の言葉は日本人の根底にあって、忘れがちな大切なことを思い出させてくれる。
一〇三歳、ひとりで生きる作法 老いたら老いたで、まんざらでもない
- 作者: 篠田桃紅
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/12/17
- メディア: 単行本
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彼女の本は他にも数冊あるのだけれど、最後に紹介するとして・・・タイトルにしたこの言葉は捉え方によっては、批判されることもある。
少なくとも作品と真摯に向き合い、「命を込める」作業を彼女は行っているように感じる。「命がけ」と「命をつかう」事は全く別の物で、男性と張り合っている女性にも読んでもらいたい一冊。
結婚せずに、書家・画家としてひとりで100年以上生きているという時点で、彼女が綴る言葉に、反論する人はもちろんいないだろう。
着物や書画、絵画にあって現代社会にかけている物に気づかせてもらった。
自己啓発や意識を明確にする作業をしていて気づくのは、昔の日本人の生活にはすごい仕組みがあった。
着物を着ている人はわかるだろうけれど、何本もの紐が使われ帯を締める。墨を擦る、日本画の顔料をとく。
これらの、その作業と所作ひとつひとつが一種の瞑想に近く、呼吸を整えずして行う事は出来ない。
今はPCや携帯で文章が打ててしまうから、その作業は欠けてしまっている。
修正ができないという事は、先に考えをまとめる必要があって、「思考を整える作業」をしているだけで、願望は叶うようになっている。意思を明確にするだけで、人は必要な行動がとれるように出来ているけれど、それを分かりやすく纏めてくれているものに出会ったことがない。
便利さをもとめて、逆に人は不便な世の中をつくってしまったのかもしれない・・・とふと思った。
同時に思い出したのは、知人の女性社長が言っていた言葉。
「『尽くす』と、枯渇し繁栄はしないように出来ているのが自然の法則。やがて尽き果てるのよ。」
ふと、この言葉を思い出した。
100年生きるカラダをもっているのに、命を欠いてしまってはもったいない。もちろん、長ければいいというものでもないし、短いのが悪いという訳でもない。
淡々と自分自身の人生としあわせを、日々噛みしめる、そんな ことを思い出させてくれる文章。真逆だけれど、婚活中の女子にも勧めたい一冊。
1人で生きれる人同士の夫婦関係は素敵だよなーと、かつて出会った人々を思い出す。よりかかる依存関係ではなく、支えあう人々の姿はただただ良い。自分が自由に生きてこそ、相手の自由を許せる。
自分のしたいことをすればいいんだなと思い返す。
今週のお題「プレゼントしたい本」