○○だから、できないという○○が宝物である理由
「○○だから、できません」
海外在住の方からのメール相談に海外で労働ビザも無いから仕事が出来ません!と書かれていました。
もともとキャリア志向の女性。旦那さんの海外赴任に伴い、自分の仕事は一度諦めて異国の地で毎日を過ごしているということで、お子さんもいらっしゃいません。忙しく働いていた時が、充実していたと感じられているようでした。
現在は自分のキャリアが中断してしまっている・・・という考えも読み取れる文面でした。
果たして本当に、そうなのでしょうか?
メールを送られてきた理由は「本当はどうしたいのか」という、ワークで使うこの問いにも、答えられなくなっていたからでした。
本当は私もキャリアを先に進めたかった・・・とまで書いたものの、自分が本当にどうしたいのか分からないんです、とのこと。
本音はこの後ろにずーっと隠れています。スープのように、このアクをとることで、クリアなスープが出てくるので、この過程も大切な必要なプロセスです。あとから振り返れば、わかるものの渦中にいるときは辛く感じるものです。
まさにその真っ只中で必要なのは、一度本音を整理すること。
これが異国の地で一人では難しいです・・・。本音を無視しているように感じますと、ストレートにこちらの感想を含め伝えるとともに、好きなだけ愚痴を言ってみてくださいと言いました。
え?コーチングなのに、愚痴を言っていいのですか?と驚かれましたが、もちろんです。本音の毒が出れば、その後は一瞬で答えにたどり着けることが多い事を伝えました。
本音はシンプルで
「仕事をしている旦那さんがズルいと思っている、羨ましい。」でした。
ここがでてきて、はじめて相手に対する「○○して欲しい」というリクエストや「▽▽をしたい」という自分の欲求がわかります。
責める事では、前にすすまない
自分を責めていたり、他人を責めていたり・・・。こういう時に1人で考えていては答えは出ません。人間の脳機能がそういう仕組みなので、仕方が無いと言えばそれまでです。
こんな時にコーチを使ってください!とクライアントさんの本音を知るプロセスに(口調では出さないように気を付けていますが)とてもウキウキします。
現状をノートにも書いていたとのことですが、自分の本音は出てきていなかったそうです。
ご自身はキャリアを明らめて、旦那さまは忙しく大変そうではあるものの、自分の仕事に打ち込んでいるわけです。そりゃ羨ましく思って当たり前です。そう感じている事をご自身で責めていたようです。この自然な思いと感情を吐き出すと、次のステップはすぐなのですが、濁っていると中にある素敵なものは見えません。
○○だからできない、は独自性になる
今回のケースだと海外在住だからできない。といういわば思い込みから自分を責めたり、ご主人を責めたりしていたわけですが、このステップを乗り越えて見えたものを形にしていくと、同じように悩む人にとって、これが<価値>になります。
仕事であればオリジナリティの売りになり、この経験を活かしてサポートするという事も可能。
問題とおもっていた海外在住はハンデかもしれませんが、どうもご自身の過去のお仕事の経験から、素敵なアイデアが生まれたようです。
現代社会ではインターネットがあれば仕事がいくらでもできるという考えで生きている人に囲まれている私は、まだまだ発信の余地があるなーと痛感しさせてもらったのでした。
自分が大切にしたいものと、今後取り組むことが明確になり、クリアになったということでした。自身の海外暮らしの経験が、こんなところで生きてくるとは不思議なものです。自分の過去の経験は全て役にたつものなので、プロフィールを早速書き加えたのでした。
同時に私の9月の目標も決まりました。不明確な感覚の部分を、言語化していくという作業です。
目には見えないけれど、確かに知覚する文章や会話からでている本音を引き出す秘訣についてを言葉にまとめる事に決定です。